薄毛治療薬「フィナステリド」のメリットとデメリット
はじめに
男性型脱毛症（AGA）の治療薬として広く使われているフィナステリド（プロペシア）。フィナステリドは、AGAの進行をおさえてヘアサイクルを正常な状態に戻すAGAの治療薬です。フィナステリドはアメリカでも認可されているAGAの治療薬で世界でも広く利用されています。ただし、フィナステリドの処方は、健康保険が使えるわけではなく、自費での診療となるので費用がかさみがちです。そこでこの記事では、フィナステリドのメリットとデメリットについて明らかにしていきましょう。
フィナステリドのメリット
フィナステリドは、現在AGAの治療薬である「プロペシア」の主成分として採用されています。プロペシアは、薄毛治療のガイドラインとして実際の現場で活用されている『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』でも使用が推奨されている薬です。このガイドラインの中で、「男性型脱毛症にはフィナステリドの内服を行うよう強く勧める」と述べられています。
AGAの薄毛は、男性ホルモンである「テストステロン」と、酵素である「Ⅱ型５αリダクターゼ」が影響していると考えられています。テストステロンはⅡ型５αリダクターゼによってジヒドロテストステロン（DHT）へと変化します。ジヒドロテストステロンは、ヘアサイクルを縮める効果があるため、髪の毛が十分成長することができません。髪の毛が十分成長せず、細く短くなってしまう結果、AGAの代表的な症状である薄毛が進行してしまいます。
フィナステリドは、Ⅱ型５αリダクターゼの働きを阻害する働きがあります。これによって、薄毛の症状の進行を食い止めることができます。これがフィナステリド最大のメリットです。他の治療薬よりも効果が認められています。ヘアサイクルが元に戻ることで、髪の毛が太く長く成長するようになり、薄くなっている部分が徐々に回復するようになります。
フィナステリドのデメリット
フィナステリドは薄毛に対して非常に効果の高い薬ではあるもののいくつかのデメリットがあります。まず、フィナステリドの効果は内服している間だけであるということです。フィナステリドを服用したからといって、髪の毛が生えてくるようにすることはできません。フィナステリドの内服を中止するとその効果は消失してしまいます。そのため、薄毛に悩んでいる場合には、フィナステリドを継続的に服用しなければなりません。少なくとも、6ヶ月程度の内服を継続して効果を確認すべきであることが推奨されています。フィナステリドは、髪の毛の成長サイクルを正常に戻すく治療薬ですから、効果を感じるまでに通常のヘアサイクルである６ヶ月程度の期間が必要となるのです。
フィナステリドを服用し続けるためには、かなりのコストが必要となる点はデメリットであると言えるでしょう。
その他に、フィナステリドの安全性は、若年層に対してはまだ十分に確立されているわけではないということです。フィナステリドは、海外の臨床試験において薄毛治療にかなりの効果が期待できることが明らかにされています。国内の臨床試験では20歳以上の男性が対象となって試験が行われているので、20歳以下の人がフィナステリドを使用することはおすすめできません。
おわりに
AGAの治療薬として有名なフィナステリドは、その効果が医学的にも認められています。他の薬と比較して非常に効果が高い治療薬です。しかし、フィナステリドの効果があらわれるまでには６ヶ月程度使用を続けなければならないので、かなりの費用がかかります。フィナステリドの使用は自由診療であるため保険もききません。効果が非常に高く、医学的にも証明されていることがフィナステリドのメリットですが、コストがかかることがフィナステリドのデメリットと言えるでしょう。この点をきちんと理解して上で、治療薬として使うかどうかを、専門的な知識のある医師と相談することが大切です。
