AGA治療薬:それぞれの特徴と効果

AGA薄毛

はじめに

脱毛のメカニズムが解明されてからというもの、AGAの治療は大きく進みました。現在の医学では、脱毛は男性ホルモンから出ている毛髪の成長を抑制するシグナルの作用であることが明らかとされています。2017年には、日本皮膚科学会によって『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン』が公表され、有効性の高い治療方法が示されています。

この記事では、AGAの治療薬として効果が認められているものについてわかりやすく解説していきます。

AGA治療薬

 AGAの治療薬として非常に効果が高いと言われている代表的な治療薬は2種類あります。プロペシア・ミノキシジルです。以下では、それぞれの治療薬の特徴と効果についてわかりやすく解説していきましょう。

プロペシアの特徴と効果

 プロペシアは、フィナステリドを主成分としたAGAの治療薬です。日本国内でも、厚生労働省から認可を受けて、2005年12月から販売されています。製造元はMSD株式会社で、日本国内でも数多くの医療機関で処方されているAGAの治療薬です。

 プロペシアの主成分であるフィナステリドは、男性ホルモンの一種であるテストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン)へ変換する還元酵素の働きを抑制する効果があります。DHTは、男性の外性器の発達に大きく関わりのある男性ホルモンですが、思春期以降は、ニキビ・前立腺肥大・AGAといった症状を引き起こす原因となる上に、皮脂の過剰分泌を引き起こすことで抜け毛の原因となることもわかっています。

DHTは、日々からの中で分泌されている「テストステロン」が還元酵素である「5α還元酵素」と結びつくことで生成されるホルモンです。DHTが毛髪を生み出す毛乳頭細胞に存在している受容体と結びつくことによって、脱毛シグナルを発生させてしまい、ヘアサイクルを狂わせてしまいます。そのため、プロペシアは、AGAの原因となる5α還元酵素を阻害することによって、DHTが生成されることを抑制して、ヘアサイクルを正常可します。

2015年には、プロペシアのジェネリック医薬品である「フィナステリド錠」と呼ばれる治療薬も販売されることになったので、AGAの治療薬は手に入れやすい価格で提供されるようになっています。フィナステリド錠は、先発医薬品であるプロペシアの効果はそのままに薬価が安く手に入りやすいことが特徴です。

ミノキシジルの特徴と効果

 プロペシアの他にも、AGAの治療薬として効果があるとされているのは、ミノキシジルです。ミノキシジルは、もともと血管拡張作用のある薬で、毛乳頭細胞から細胞増殖因子を分泌することで発毛を促す効果があります。頭皮の血行が改善することによって、毛細血管から毛乳頭へ栄養を行き渡らせることができ、頭頂部や生え際の発毛を促進します。

ミノキシジルとプロペシアは、薬理作用が異なることから併用することが可能で、併用した方が個別に使用したよりも発毛効果が高くなると言われています。2018年以前は、大正製薬が一般医薬品として販売していましたが、2018年以降は、ロート製薬や東和薬品からも薄毛治療の一般医薬品として発売されています。

 ミノキシジルは一般医薬品として販売されているので、薬剤師のいる薬局などにおいて購入可能であることが魅力です。ミノキシジルの使用中は毛が抜け落ちることを止めることができますが、使用を止めてしまうと抜け毛が再び起こりはじめます。これは、ミノキシジルがAGAの原因を完全に根治するための治療薬ではなく、薄毛症状の改善を目指す治療薬であるからです。

おわりに

 AGAの治療薬として、プロペシアとミノキシジルを紹介してきました。プロペシアとミノキシジルはAGAの治療薬としてその効果が認められており、医療機関でも広く活用されている治療薬です。民間療法でAGAに効果があるとされている治療方法もありますが、医学的に効果があるとされている治療方法は限定されています。きちんと医学的な根拠に基づいた治療薬を選ぶようにすることが大切です。

 

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