髪はなぜパサつくの?毛髪の構成組織をわかりやすく解説!
はじめに
髪がパサつく原因を知っていますか?髪がパサつく主な原因は、毛髪を構成する組織が傷ついてしまっているからです。毛髪を構成する組織は3層に分かれており、それぞれが独自の役割を担っています。この記事では、そんな毛髪の構成組織についてわかりやすく解説していきます。
髪がパサつく原因
髪がパサつく原因は髪のキューティクルが傷ついてしまっているからです。毛髪は、3つの層に分かれていて、それぞれが異なる構造となっています。以下では、そのそれぞれについて説明していきましょう。
髪の中心にある「メデュラ」
髪の中心にある組織はメデュラ(medulla:髄質)と呼ばれます。メデュラは、太い毛には存在しますが、細い毛には存在しないことが多いです。産毛や赤ちゃんの毛髪にはメデュラは存在しません。メデュラは空気を含んでいるため、空洞となった蜂の巣状の細胞が密集して並んでいます。その形状は様々で毛髪全体に対して、0〰3%を構成する組織となっています。メデュラは、非ケラチンタンパク質によって構成されており、個々の細胞が髪の伸びる方向に積み重なっています。メデュラの細胞は、熱やパーマ・ヘアカラーといった何らかの刺激を受けると、たくさんの空洞を含んだ多孔構造に変化します。したがって、髪の毛が痛むほどメデュラは多孔質構造となります。その結果、毛髪の中心部が多孔質構造となるので、髪の毛に靭やかさが失われるようになり、髪の光沢感や輝きにも影響を与えます。
髪の真ん中の層「コルテックス」
髪の真ん中の層にあるのがコルテックス(皮質)です。コルテックスは、髪の内部を構成する組織で毛髪の90%を構成しています。コルテックスは、紡錘形をした繊維質状のケラチンタンパク質の集合体です。コルテックス細胞一つひとつは、皮質細胞と呼ばれ、間充物質・マクロフィプリル・メラミンによって構成され、一つの細胞の大きさはおよそ4μmです。コルテックス細胞は、縦につながって構成されているので、毛髪は縦に避けやすくなっています。
通常、コルテックスは弾力性に富んでおり、通常12%〰13%の水分を含んでいる組織です。コルテックスに含まれている水分量によって、毛髪のしなやかさに大きな影響があります。雨の日や梅雨の時期など、湿気が多い時期に髪のクセが出やすくなるのは、このコルテックスに含まれる水分量が変化するからです。コルテックスの層はメラミン色素が含まれているので、ここに含まれるメラミン色素によって、毛髪の色が異なります。日本人の髪の毛の色は黒髪(ブルネット)であることが多いですが、西洋人の髪の色は金髪(ブロンド)であることが多いのは、コルテックスに含まれているメラミン量に違いがあるからです。このコルテックスの層は、パーマ液などの薬品の影響を受けやすくなっています。パーマ液やカラー液は、このコルテックス層に作用することによって、毛髪をカールさせたり、色をつけたりします。薬品の影響によって、水分調整機能が低下すると、毛髪のパサつきの原因となります。
髪の一番外側の層「キューティクル」
髪の一番外側の層を構成するのがキューティクル(毛表皮)です。漢字で表記すればわかるように、毛髪の中でも毛髪の表面を覆っている部分となります。キューティクルは、外部の刺激から毛髪内部を守る役割を果たしていて、コルテックスのタンパク質や水分が失われるのを防ぐと同時に、髪の艶や潤い保っています。キューティクルは、根本から毛先に向かってウロコ状に重なりあっており、1枚の細胞は非常に薄く、通常6枚〰8枚が密着した層になっています。キューティクルを構成する主成分は、硫黄含有量の多い硬質タンパク質であるケラチンで、その色は無色透明です。キューティクルは、比較的硬い組織である一方で、もろく摩擦に弱い性質になっているため、ブラッシングやシャンプーの際に傷つきやすくなっています。キューティクルがはがれるとコルテックスの層からタンパク質が流失してしまい、切れ毛や枝毛が発生しやすくなります。
おわりに
髪の毛がパサつく原因は髪を構成する組織が傷ついてしまうからです。毛髪は3つの組織によって成り立っており、それぞれの役割を担っています。髪を構成する組織を健康に保つことができれば、枝毛や切れ毛などを防ぐことが可能です。髪の毛の組織構造をきちんと理解してヘアケアに努めましょう。